この記事ではリポバッテリーの日々の管理方法から廃棄処理まで詳しく解説します。
1.リチウムポリマーバッテリーとは
2.リポバッテリーの充電方法
3.リポバッテリーの温度
4.リポバッテリーの保管方法
5.リポバッテリーの輸送方法
6.リポバッテリーの廃棄方法
7.リポバッテリーの万が一のトラブル対処法
リチウムポリマーバッテリーとは
通称リポバッテリーと呼ばれ、近年スマートフォンや、ラジコンなどに多く使用されています。大電力が取り出せるというメリットがありますが、取り扱いを間違えると大きな事故になる可能性があるため十分に気をつけて管理をする必要があります。
リポバッテリーの充電方法
DJI社のドローンはインテリジェントフライトバッテリーと呼ばれる「フル充電に達すると充電が停止する機能」が付いています。ただ過充電をしないよう、念のため充電が完了したらすぐにコンセントから外すことが推奨されています。
充電するときは周りに可燃物がないことを確認しましょう。
また飛行直後にバッテリー充電するとバッテリーの劣化につながるので時間を置いてバッテリーの熱が冷めるまで待ってから充電しましょう。
充電後は各セルの電圧が均等であることをDJI GO4アプリより確認してください。
上記画面ではセル電圧の差は最大3.81V, 最小3.79Vで0.02Vあります。
一般的に各セル毎で0.03V以上の差がある場合はバッテリーの不具合が考えられます。
その場合の対処法として、バッテリーの残量7%〜10%程度まで使用することで初期化処理をし、その後充電することで改善されることがあります。
ただし、残量を減らしすぎるとバッテリーには良くないので減らしすぎには気をつける必要があります。
リポバッテリーの温度
リポバッテリーの保管温度は22〜28度が最適です。
飛行時は40度が最適でバッテリーの温度が低い冬場は、モーターが回らず飛行させることができません。
バッテリーの温めは車のファンヒーターや、ホッカイロなどがオススメです。
リポバッテリーの保管方法
1ヶ月以上使用しない場合はバッテリー残量は40〜65%が理想です。
バッテリー残量の確認はバッテリーのボタンを1度押し、LEDランプの点灯個数で確認が出来ます。
バッテリー残量が40〜65%の状態はLEDランプ4つのうち、2つ点灯もしくは3つ目が点滅している状態です。
バッテリーランプが2つ点灯:バッテリー残量37.5%〜50%
バッテリーランプが2つ点灯+1つ点滅:バッテリー残量50%〜65%
バッテリーを保管するものは??
いざバッテリーが発火したとして、最小限の被害で抑えるためにも以下のようにバッテリーを管理することをオススメします。
・リポバッテリーセーフティーバッグ
各種メーカーもありますが粗悪な商品もあり、いざ発火した時に燃えて破れてしまい役に立たないものもあります。
ドロナビがオススメするのはLAYLAX社製のセーフティーバッグです。
耐火実験の動画などでもよく取り上げられていますが、実際に発火した場合も破れることなく耐えています。
・アンマボックス
アンマボックスとは軍の弾薬箱です。
中で暴発しても耐えられる仕様となっていて、アメリカ軍が注文後キャンセルした!?という
コストコのアンマボックスがで丈夫なわりに値段もお手頃です。
コストコに行くと直接買えますが、アマゾンなどでも少し割高で販売されています。
コストコの会員の方なら直接買いにいけますが、非会員の方はネットで買ってしまった方が安く済むはずです。
大きいボックスはPhantom4のバッテリーを立てて8個入ります。上のスペースにバッテリーを寝せて入れるとさらに3個入ります。
小さいボックスは縦に並べて4個入ります。上のスペースにバッテリーを寝せて入れるとさらに2個入ります。
リポバッテリーの輸送方法
沖縄で空撮しよう!と決めて、いざ東京から宅急便で発送しようとすると、空輸ではなく船便になるため、最低でも5日以上の日程を要してしまいます。
時間に余裕があれば船便で事足りますが、ほとんどの場合、自分が乗る飛行機に持ち込むことになると思います。
飛行機に持ち込む場合の注意点は「ドローンを飛行機で運ぶ際の注意点」で詳しく説明しています。
リポバッテリーの廃棄方法
バッテリーが不要になった、故障で使えない、膨張など変形している、その他異変があるから破棄したいという場合、自分で廃棄処理をする必要があります。
大きめのバケツを用意し、3〜5%の食塩水を作ります。
(水1リットルに対し、食塩30g〜50g)
塩水にバッテリーを入れて、換気の良い場所で、3日以上放置して放電します。
ただこれだけですが、気をつけることもあります。
・水が少ない
バッテリーが露出することでモクモクと煙が出てあわやという事態が発生してしまいます。
バッテリーに対して十分な水の深さがあることを確認してください。
・容器がバッテリーと接触して溶ける
例えば2リットルのペットボトルで対処した場合、バッテリーとプラスチックが接触して熱で溶け、
水がなくなってしまうことがあります。
筆者が処理する場合は、大きめのバケツに金属製の物で底上げをした上にバッテリーを置いて放置しています。金属製の物はアルミ缶などでよく、バケツに接触させないためです。
なぜなら昔、タッパーに入れて廃棄処理をした時に、プラスチックが溶けてしまって水がなくなり
煙モクモク状態になったことがあるからで、その後は十分すぎる対応を取るにようなりました。。。
廃棄処理が終わったバッテリーの処分方法は自治体によって異なるのでまずは管轄の自治体に確認を取ってみましょう。
リポバッテリーの万が一のトラブル対処法
飛行中にドローンが墜落した場合、バッテリーは無傷なので問題ないとすぐに判断するのは危険です。
15分以上待ち、バッテリーに発熱がないか、膨張がないか異変を確認しましょう。
仮に発火してしまった場合は、回りの可燃物を避け、火が収まるまて待機してください。
水を掛けても発火は止まりませんので、鎮火した後に水の中に入れます。
発火すると火柱が出るレベルで煙も大量に出てきますのであせって触ると火傷してしまいます。
屋外での発火は周りに可燃性の物が基本的にはないので鎮火するまで放置できますが、家の中で作業中、例えば居間で発火するとテンパってしまうと思います。
予めいざという時の流れを脳内シュミレートしておいて、可能な限り可燃物がないところでリポバッテリーを扱うようにしましょう。
(通常で運用している限りはまず発火はしませんが、廃棄処理の場所は十分に気をつけましょう!)